研究課題
当該年度は、KEK-低速陽電子実験施設の高強度・高輝度陽電子ビームラインSPF-A3において、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)実験を行なった。ここでは、昨年度に整備したパルス増幅MCP検出器を用いて、S/N比が従来より100倍改善されたデータ取得が可能になった。この装置を用いて、ノイズの改善されたTRHEPD実験を行った結果、30年来、構造が不確定であったルチル型チタニア(110)-(1×2)表面構造を確定、貴金属・遷移金属上に成長させたグラフェンの構造決定など目覚ましい成果が上がった。また、上記の検出器と共に試料マニピュレータも改良され、TRHEPDロッキング曲線の測定だけでなく、パターン測定、方位角プロット測定などの新たな手法による構造解析が可能になった。そこで現在、新しいテーマとして、半導体基板上に形成された原子ナノワイヤーの構造決定や、グラフェン-基板間のアルカリ原子インターカレーションによる構造変化の解明、アナターゼ型チタニア(001)(4×1)構造の解明など、新しいテーマへの研究展開が進んだ。
低速陽電子実験施設ホームページhttp://pfwww.kek.jp/slowpos/
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