それまで別々の理論を用いて議論されてきた磁性と超伝導を統一的に扱う理論を構築した。具体的には、磁性の研究に広く用いられている動的平均場法を出発点として、空間相関を考慮することで超伝導を扱った。この理論を重い電子系の基本的模型に適用し、従来の理論とは異なる超伝導状態が実現することを明らかにした。この結果はこれまで考慮されてこなかった局所相関効果に起因しており、強相関系の超伝導研究に新たな視点を与える重要な成果である。 研究期間の後半には、データ科学を量子多体計算に応用する新しい試みに挑戦した。上述の「磁性と超伝導を統一的に扱う強相関理論」を現実の化合物に適用する際に有用なものとなる。
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