研究課題
スピネル酸化物LiV2O4について、中性子非弾性散乱研究を進め、伝導フラストレート系も特異な準局所的時間・空間相関「スピン分子(スピン軌道分子)」を生成すること、このスピン分子が観測例の極めて珍しい局在と遍歴の両面を持つ磁気形状因子を伴うこと、を明らかにした。本結果は、スピン分子が重い電子的振る舞いと密接に関わることを示す。また、これまでの研究から、スピン分子の形成にはスピン格子結合が重要であることが指摘されている。今後、スピン・軌道・格子・電荷の総合ダイナミクスによる物性発現研究の展開が期待される。さらに、スピネル酸化物ZnFe2O4のスピン励起、MgCr2O4のフォノン励起に関し、新たに中性子非弾性散乱データを取得した。現在、解析中である。
2: おおむね順調に進展している
スピネル酸化物LiV2O4について、研究を進め、論文発表を行うことができたため。また、海外マシンタイムを獲得し、ZnFe2O4のスピン励起とMgCr2O4のフォノン励起に関し、新たに中性子非弾性散乱データを取得できたため。
スピネル酸化物MgV2O4の単結晶中性子非弾性散乱データの取得、関連するマクロ測定の遂行、測定した全データ群の総合的な解釈と解析を目指す。
基金化制度を活用し、年度末の旅費計算と最適購入品の選定を両立できるよう、次年度に使用額を残したため。
論文の英文校閲と掲載料に使用する予定である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件)
Chemical Communications
巻: in press ページ: in press
10.1039/c5cc02351c
Radioisotopes
Physical Review Letters
巻: 113 ページ: 236402-1-5
10.1103/PhysRevLett.113.236402