本補助事業では、f電子の自由度が重要となる人工超格子における電子相関効果について、研究を行った。研究内容は、主に、(1)近藤効果と電気抵抗、(2)反強磁性と超伝導、(3)強磁性についてである。(1)近藤効果が超格子構造によってどのように影響を受けるかを調べ、また、そこで形成された重い電子の電子輸送について議論した。(2)超格子における反強磁性的有効磁気相互作用と近藤効果の競合を解析した。また、遍歴的なスピン揺らぎの性質、及び、それが引き起こす超伝導についても研究を行った。(3)近藤超格子における、強磁性量子臨界点の可能性や磁気抵抗効果を議論した。
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