研究課題
今年度は、正方晶歪みの巨大化を目的として、正方晶ペロブスカイトPbTiO3をベースに、アニオンサイトを酸素とフッ素で複合化する実験を行った。結果、封管法を用いた固相反応でPb2Ti2(O/F)6.6という組成の物質を合成することに成功した。この物質は、パイロクロア構造特有のXRDパターンを示した。これは価数の異なる酸素イオンとフッ素イオンで複合化したことにより、安定なカチオンアニオン比が変化し、ペロブスカイトABX3からパイロクロアA2B2X7の構造が安定化されたことを示している。また、Pb2Ti2(O/F)6.6は他の酸化物パイロクロアでは見られないほどの高い誘電率を示すことを発見した。今後は、さらに精密構造解析を行っていき、結晶構造と高誘電率の関係を明らかにしていきたい。
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