本研究では正方晶ペロブスカイトPbTiO3をベースとし、PbとTiを含む酸フッ化物の研究を行った。結果、新物質Pb2Ti4O9F2とPb2Ti2O5.4F1.2を発見することに成功した。精密構造解析を行った結果、Pb2Ti4O9F2中でO/Fのアニオン秩序配列が存在することを実験的に明らかにした。また、Pb2Ti2O5.4F1.2においては、これがパイロクロア型構造を持つことを確かめ、さらに対称中心のある構造にも関わらず、非常に巨大な誘電率を示すことを発見した。これは結晶中の局所的な歪みを反映しているものだと考えられる。
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