鉄系超伝導体LaFeAsO1-xHxは、二つの超伝導相(SC)と二つの反強磁性相(AFM)を持つ。申請者は輸送特性と第一原理計算による電子状態の評価から、電子ドーピングによってFeの3dxy軌道が半充填に近づくことを見出し、この軌道を占有する電子スピンが常伝導状態や、より高い臨界温度(Tc)をもつSC相近傍のAFM2相の出現に大きく寄与することを示した。これらの結果は、高Tcを持つ超伝導が3dxy軌道が半充填になる近傍で発現することを示しており、高温超伝導体の新規設計指針を提案することができた。
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