研究成果として、近年日本で発見され、高い超伝導転移温度を持つ、鉄系超伝導体の相図全体の統一的理解が著しく進んだことが挙げられる。具体的には、我々が開発した新しい計算手法である自己無撞着バーテックス補正(SC-VC)法を用いることで、スピンと軌道間の新しい相互作用が現れ、軌道揺らぎがスピン揺らぎと協奏的に増大することが明らかとなり、鉄系超伝導体の相図に現れるスピン秩序相、軌道秩序相、超伝導相等を物質によらず、統一的に説明することが可能となった。また、軌道秩序相における特異な軌道偏極エネルギーの波数依存性もこのSC-VC法に基づいて物質によらず、統一的に説明することに成功した。
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