研究課題
近藤半導体CeRu2Al10の異常な反強磁性これまでは主にゼロ磁場での実験を進めてきたが、研究の最終年度は、主に磁場中での圧力下の電気抵抗率測定を、CeRu2Al10および関連するRh置換系について、引き続き実験を進めた。これにより、反強磁性(AFM)秩序の消失する臨界圧力近傍まで、外部磁場約15テスラのもと、実験を行うことに無事成功した。CeRu2Al10では約5GPaに存在する臨界圧力近傍まで磁気相図に大きな変化はなく、磁場に対する応答が極めて弱いことがわかった。一方、Rh置換系の試料でも無置換系と同様に磁場に対する応答は基本的には弱いが、圧力を印加するにつれ、非常に意外な結果を得た。詳細については、現在、データを精査しているところであるが、今後、データを整理し、まとめ、論文化をして公表する計画である。関連するHo化合物における磁場誘起秩序相本研究課題では、重希土類のRT2Al10についても低温の物性を調べ、結晶構造に内包された磁性イオンサイトのジグザグ鎖に由来する新規秩序相の探索も目的として研究を進めていた。その中で、R=Hoの系についての基礎物性測定および超音波測定により、HoFe2Al10では磁場誘起の秩序相の現れることを予想外に見出した。超音波実験の詳細な実験・解析により、その起源は、斜方晶構造では極めて稀な多極子自由度の凝縮相であると考えられる。関連するHoRu2Al10についても同様の実験を行い、同じような凝縮相があるかどうか、調べている。
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J. Phys. Soc. Jpn.
巻: 86 ページ: 044601-1-6
http://dx.doi.org/10.7566/JPSJ.86.044601
巻: 85 ページ: 044601-1-7
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