希土類元素化合物の中で圧力誘起絶縁体-金属転移を示す物質として,SmSやSmB6が研究されている.本研究では圧力下での核磁気共鳴(NMR)実験に取り組み,これらの物質では研究が少ない微視的な観点から測定を行うことで,圧力の効果について研究した.SmSについてはNMR測定可能な33Sの濃縮同位体を用いた試料を作製し,初めてのNMR実験を試み,下の結果を得た. (i) Smイオン価数が~2.8価と見積もられている温度領域でSmの4f電子は局在状態にある.(ii) 2 GPa以上の圧力で 18 K以下で圧力誘起磁気秩序を観測.(iii) 降温,高圧で試料中の磁気秩序領域は増大する.
|