電子のスピンと軌道の自由度が結合した“多極子自由度”を有する系は、新奇物性の宝庫として大きな注目を集めている。我々は先端的な量子ビーム技術(ミュオンや中性子)を駆使して、(1)スピン軌道相互作用誘起モット絶縁体Ba2IrO4における異方的超伝導の可能性と(2)新物質β’-LiCoPO4における異常物性の解明を追求した。その結果、Ba2IrO4の超伝導化については電子ドーピングが有効であるという実験的な裏づけを、β’-LiCoPO4については長時間磁気相変態メカニズムの解明に向けての足がかりを得ることができた。
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