研究実績の概要 |
本研究ではマテリアルズインフォマティクスにより膨大な金属の組み合わせの中から関連性を発見する手法の開発を目的としている。本目的は計算科学を物性シミュレーションによるナノマテリアルの物性評価から各種機能に応じたナノマテリアルの設計に役立てるためである。本年度は半導体材料として用いられるビスマスニオブ酸化物(BNO)の物性の予測と類似金属酸化物の特定のために第一原理計算とデータマイニング手法を用いた研究を行った。 まず研究に使用したデータベースの構築にはABO型パイロクロア構造のうちA,B原子を核としたパイロクロア型金属錯体(6配位)分子48種(A-site:29種,B-site:19種)に対して第一原理計算を行い、その計算結果から中心金属原子(I)と配位原子のうち平面方向の原子のうちの1つ(II)の電化、結合長、その他の物理パラメーターによるデータベースの構築を行った。また、既知のデータベースからも同様に配意結合長のデータの追加を行った。構築されたデータベースから教師無し学習法による分類を行った。分類の結果、I-II-O錯体が大きく2つのタイプへの分類に成功した。この2つの分類の物理的特徴に関する考察にはシャロンイオン半径との密接な関係性がある事が確かめられた。本研究成果は2015年12月に開催されたTHE INTERNATIONAL CHEMICAL CONGRESS OFPACIFIC BASIN SOCIETIES 2015において報告を行った。
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