素粒子物理学におけるHiggs粒子は質量の起源と密接に関連しており、最近の加速器による実験で観測され注目を集めた。他方、磁性体、超伝導体といった身の回りの物質中にもHiggs粒子に相当する粒子が存在する。しかしそれらの粒子の性質については未解明の点が多い。本研究では、極低温にまで冷却され超流動状態となった原子気体中のHiggs粒子の性質について理論的に調べた。その結果、これまで知られていない空間的に局在した新しいHiggs粒子が存在することを発見した。また、グラフェンと同様の蜂の巣格子状の原子配置を持つ気体においては、空間的に非一様な新しい超伝導状態が現れる可能性があることを指摘した。
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