本年度の研究では、昨年度作製したCa+イオンとIn+イオンの同時リニアトラップ装置を利用し、Ca+及びIn+イオンの同時蛍光観測システムを構築した。これにより、In+イオンの蛍光を時計周波数計測に利用しつつ、Ca+イオンの蛍光イメージング映像から配列の確認が可能となった。これにより昨年度行った配列制御実験を時計遷移観測に応用できるようになった。また作製したシステムを利用し、実際に共同冷却したIn+イオンの時計遷移周波数計測を実施した。リニアトラップ中および共同冷却を利用したIn+イオンの周波数計測の実施は本研究が初めてであり、周波数シフト要因及び確度の評価後、論文として整理しApplied Physics B等へ投稿予定である。 これらの研究内容および成果に関してURSI-JRSM 2015にて"Present Ion Optical Frequency Standards and New Challenges"という題目で招待講演を行い、日本物理学会第71回年次大会にて「インジウムイオン時計遷移観測実験」という題目で発表を行った。
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