研究課題
平成28年度は以下に示す研究を実施した。①本課題の主軸である気候モデルによる季節予測実験を用いて、近年の不活発なエルニーニョ現象の予測可能性について調べた論文を国際誌Monthly Weather Reviewに投稿し、受理された。②新たな極値解析手法についてまとめた論文を国際誌Hydrological Research Lettersに投稿し、受理された。③前年度に実施した長期間に渡る大量アンサンブル実験のデータを利用して、日本域の高温・低温事例の発生確率について調べた結果の一部を国際誌Atmosphereの特集号"Temperature Extremes and Heat/Cold Waves"に投稿し、受理された。④前年度に実施した長期間に渡る大量アンサンブル実験のデータを利用して、低頻度の極端現象の発生確率に対する予測可能性の空間分布を調査した。③、④を通して、前年度に作成した大量アンサンブル実験結果が、本課題の目的である異常気象の確率予測の予測可能性研究において有効なデータセットであることを確認することができた。
3: やや遅れている
当初の計画になかった大規模アンサンブル実験をH27年度に実施したこと、さらにH28年度中に研究代表者が育児休業を取得したため、遅れが生じている。
本年度までに、研究に必要な解析ツールおよびデータはすべて揃った。今後は、予測対象を日本域の極端降水現象まで拡張して適用可能性を調査し、季節スケールの確率予測可能性の調査結果を最終成果としてまとめ、国際誌や学会等を通じて発表する。
H28年度中に研究代表者が9か月の育児休業を取得したため、延長申請を行い次年度の研究活動費を確保できるように予算計画を調整した。
本課題の成果を永久保存するためのディスクの購入と、成果を国際誌や学会等で発表するための論文投稿料や旅費に当てる。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)
Atmosphere
巻: 8 ページ: 57
doi:10.3390/atmos8030057
Hydrological Research Letters
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SOLA
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Climate Dynamics
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