研究成果の概要 |
木星衛星イオ近傍の酸素原子発光(630.0nm)の偏光分光観測を実現するために、ハレアカラ観測所の東北大学60cm反射望遠鏡に偏光分光機能を付与する開発を行った。この分光器は偏光プリズムと色消半波長板を組み合わせることで、直線偏光度のスペクトル分布を波長分解能5,000で測定することができる。2016年2月に観測を実施した結果、イオ起源の630nm酸素原子発光を検出することに成功した。発光輝線の直線偏光度は21+/-32%と導出されたが、より木星離隔が大きくなる2016年5月の観測機会に同様の観測を実施することで、木星回折光の影響を低減し、測定精度を7%まで向上させることができると期待される。
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