研究課題
本研究の目的は、太陽のプラズマが太陽表面から惑星間空間に至る領域のどこでどのように加熱・加速され高温の太陽コロナおよび太陽風を形成するかを明らかにするため、観測データと数値シミュレーションを密接に結合させた数値モデル「太陽コロナシミュレータ」を開発することである。研究計画段階では加熱・加速の物理メカニズムについて特定をしていなかったが、磁気流体乱流が太陽コロナ加熱・太陽風加速・高エネルギー粒子加速に重要な役割を果たしている点に着目し、磁気流体乱流の影響を取り入れる数値モデルの開発を始めた。太陽の偏光観測から得られる光球磁場分布から惑星間空間の太陽風を計算する磁気流体数値シミュレーションモデルSUSANOO(Shiota et al. 2014)をベースとして、磁気流体乱流の輸送・発展を計算するモデル(Zank et al. 2012)を同時に数値的に解くモデル(Shiota et al. 2017)を新たに開発した。このモデルにより、探査機Helios、Ulyssesによって観測された、太陽極小期の太陽風乱流および太陽風の3次元構造を再現することに成功した。また、並行して太陽光球磁場をより高精度に取り入れてコロナ磁場を計算する非線形フォースフリー磁場モデルの開発や、太陽面爆発によって惑星間に放出されるコロナ質量放出のモデル化を行った。残念ながら研究期間内に着手できなかった太陽コロナ領域の計算については、今後今研究で開発したモデルを組み合わせて着手する予定である。
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The Astrophysical Journal
巻: 835 ページ: 147
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Journal of Geophysical Research: Space Physics
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https://www.daikoushiota.com/