北中国地塊東部において基盤となっている正片麻岩とそれを覆う原生代の堆積岩の年代制約は十分とは言えない。本研究では正片麻岩、堆積岩及びそれに貫入している花崗岩からジルコンを分離し年代測定を行った。正片麻岩中のジルコンのコア部分は約25.2億年前の年代を示し、これは元となった花崗岩の形成年代を意味する。ジルコンのリム部分の年代は25~18億年前の年代を示し、複数回の変成作用を受けていた事を明らかにした。堆積岩から分離した砕屑性ジルコンは、年代制約に有用なものは無かったが、22億年前の地質体からの物質供給があった事を明らかにした。貫入花崗岩の年代は2.06億年前と非常に若い事が分かった。
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