ベレムナイト類の孵化したときの大きさ(孵化サイズ)を復元することを研究目的とした.まず,ベレムナイト類に近縁である現生イカ類(コウイカおよびトグロコウイカ)の殻体を解析したところ,最初の数部屋に置ける隔壁間距離に比べ,その後の隔壁間距離が大きく減少する傾向を見いだし,これが孵化のタイミングを関連していることが明らかになった.ドイツ,フランスに分布するジュラ紀のベレムナイト類を採取し,同様の解析を行った結果,成長最初期において,隔壁間距離が大きく変化する箇所が認められないことが明らかにあった.このことは隔壁がひとつもない状態で孵化した可能性を示唆している.
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