研究課題
本年度は、昨年度に引き続き、ミランコビッチサイクルが気候変化や物質循環、特に大陸風化等のシリカ循環に連動した炭素循環、生物生産、海洋溶存酸素濃度、海洋酸性化、および生態系動態に与えた影響について、日本や欧米、ニュージーランドの深海層、浅海層、陸成層の堆積学的、地球化学的検討を行いました。その結果、中生代のミランコビッチ・サイクルが、気候変化を介して全球の大陸風化に影響していたことを明らかにしました。大陸風化は、地質学的時間スケールで大気中のCO2濃度ひいては気候を制御する重要な要素ですが、地質時代における変動要因については議論が続いてきました。我々は、深海チャートから生物源シリカ(SiO2)の堆積速度を復元し、それが全球の大陸風化速度の指標となる可能性を示しました。また、その結果は共同研究者と解析した物質循環モデルGEOCARBSULFvolcからも支持されました。さらに、地質記録は、大陸風化がミランコビッチ・サイクルに伴う日射量変化よりも大きな振幅で変化したことを示しており、その原因として、当時存在した超大陸パンゲアで発生した大規模な大気循環「メガ・モンスーン※5」が寄与した可能性を指摘しました。この結果は、温暖な中生代における地球システムの応答を解明する上で重要な成果であり、Nature Communications誌に受理されました。また、ジュラ紀中期のミランコビッチサイクルが、生物生産量/砕屑物供給量や海洋貧酸素化、氷床量変動に伴う海水準変動に与えた影響について、Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecologyに掲載されました。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件) 備考 (2件)
Nature communications
巻: - ページ: 1-9
DOI: 10.1038/ncomms15532
Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology
巻: 440 ページ: 725-733
http://doi.org/10.1016/j.palaeo.2016.06.009
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https://tdb.shizuoka.ac.jp/RDB/public/Default2.aspx?id=11134&l=0