恐竜の初期放散と食性の関連についての研究を行った。食性復元の新手法の開発を目指したが、現生哺乳類での新食性復元手法の有効性の検証にとどまり、恐竜への適用にはいたらなかった。一方、恐竜および哺乳類の足の形態および体サイズの分布と、初期放散時の体サイズの進化との関連から、非蹠行性(蹄行性および指行性)の足の形態が、恐竜形類でも哺乳類でも体サイズの規制要因となり、初期放散後の体サイズの大型化と小型の種の不在の原因である可能性が高いこと、恐竜形類が中生代唯一の非蹠行性であるために中~大型の体サイズを寡占できた可能性を初めて指摘した。
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