千葉県房総半島の海山を構成していたと考えられているアルカリ玄武岩から、比較的低温の硫黄に乏しい中性-アルカリ性熱水から晶出した熱水性自然銅を発見した。この自然銅の産状や化学組成は、米国ミシガン州に産出する熱水性自然銅に類似している。熱水性自然銅は、過去の中央海嶺、大陸洪水ソレアイト質玄武岩等からは多数知られているが海洋島アルカリ玄武岩からは世界初である。これらの熱水性自然銅の銅同位体比の多くは、母岩の火山岩よりもわずかに高い値を示すことから、火山岩中の熱水性自然銅は、主に母岩起源の銅が比較的低温の熱水活動に関連して濃集し、形成されたことを示唆する。
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