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2016 年度 実績報告書

天然試料中HFS元素の分別挙動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26800278
研究機関筑波大学

研究代表者

坂口 綾  筑波大学, 数理物質系, 准教授 (00526254)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード鉄マンガンクラスト / ジルコニウム / ハフニウム / 放射性トレーサー / DFO
研究実績の概要

本年度は、鉄マンガンクラストの模擬試料として用いるマンガン鉱物、鉄鉱物の物理化学特性を主として調べると共に、吸着させるジルコニウム(Zr)やハフニウム(Hf)の化学種を明らかにすべく研究を行ってきた。まずは、物質の吸着量に大きな影響を与える鉱物の表面積を、BET理論(多分子層吸着理論)に従い測定および解析を行った。その結果マンガン鉱物であるδMnO2は約120 m2/gを示した。一方、鉄鉱物であるフェリハイドライトでは約250 m2/gを示し、表面積としては鉄鉱物の方がマンガン鉱物の2倍であった。また、それぞれの鉱物においてpH1-9の範囲でゼータ電位を測定した。マンガン鉱物では、pH3ではゼータ電位は約+15を示し、pHの上昇と共に急激に減少しpH zero point charge(ZPC)は3.5付近であった。海水と同様なpH条件(pH=8)ではゼータ電位は-24 mVであった。また、鉄鉱物では、pH 5ではゼータ電位は約+50 mVを示し、pHの増加と共に徐々にゼータ電位は低くなり、pH 7.8付近でZPCとなった。海水と同様なpH条件(pH=8)ではゼータ電位は-15 mVであった。また、流星海山で採取した鉄マンガンクラストの表面積およびゼータ電位も測定した結果、表面積は430 m2/gと模擬鉱物よりもかなり大きい値を示した。またゼータ電位はマンガン鉱物とほぼ同様な値を示した。昨年度に吸着実験で得られた結果では、マンガン鉱物と鉄鉱物に対してZrやHfはマンガン鉱物へより選択的に吸着していたが、これは表面積によるものではないと言える。海水条件ではいずれの鉱物もマイナスに帯電しているが、よりマイナスに帯電しているマンガン鉱物は、プラスに帯電している化学種をより吸着しやすい可能性があることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Fractionation of Zirconium-Hafnium in Ferromanganese Crusts2016

    • 著者名/発表者名
      Inagaki J, Sakaguchi A, Inoue M, Usui A, Haba H, Kashiwabara T, Yamasaki S, Sueki K & Takahashi Y
    • 学会等名
      Goldschmidt 2016
    • 発表場所
      Pacifico Yokohama, Yokohama, Kanagawa, Japan
    • 年月日
      2016-06-26 – 2016-07-01
    • 国際学会
  • [学会発表] 鉄マンガンクラスト中におけるZrとHfの分別2016

    • 著者名/発表者名
      坂口綾、稲垣純平、井上美南、臼井朗、羽場光宏、柏原輝彦、高橋嘉夫
    • 学会等名
      日本地球惑星連合
    • 発表場所
      千葉県千葉市幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2016-05-22 – 2016-05-26

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公開日: 2018-01-16  

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