高強度短パルスレーザーを固体物質に照射した際に加速される電子パルスは、高輝度、極短パルスといった特徴を有しており、超高速に変化する現象を観察可能な電子源としての可能性を秘めている。高強度レーザーにより加速される電子のうち、そのほとんどはシース電場と呼ばれる極めて強い準静的な電場に捉えられてしまうため、利用可能な電子は極めて少なかった。本研究では、高強度レーザーを照射する周辺のプラズマ密度分布を、もう一つの高強度レーザーを用いて制御することで電場の発生を抑制し、利用可能な電子の数を向上させることに成功した。また、これらの結果を数値シミュレーションや簡易モデル評価によりよく説明することに成功した。
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