金属クラスターによる触媒反応を理論的に解明することを目的として、高精度かつ低コストで金属クラスターの反応性や物性を評価できる電子状態理論の開発を行った。特に反応性や物性の評価で重要であり、実験的でも観測が可能なイオン化ポテンシャルの高精度かつ低コストな計算手法の開発を行った。従来は定性的には有用であると考えられていた二次のダイソン方程式法は、完全基底に近い極限では定量的にも信頼できることを明らかにした。また、より小さな基底関数で高精度にイオン化ポテンシャルを計算することができる露わに相関した二次のグリーン関数法を開発し、定量的にイオン化ポテンシャルを計算できるようにした。
|