分子糊に酵素阻害剤を連結することで、元の阻害剤の30倍以上の結合能および10倍以上の阻害活性を達成した。これは、接着という単純な方法でより強力な薬剤を得ることができるというコンセプトを支持するものである。また、当初の計画とは異なるが、刺激応答性を付与した分子糊の設計・合成に重点を置いて研究を行い、光重合性分子糊、酸化還元応答性分子糊、およびATP結合性分子糊を新たに開発した。それぞれが新たな化学療法へと繋がる発展性の高いものとなった。多様な外部刺激に応答する分子糊のライブラリーが構築されつつあり、当初の目的であった「アンメットニーズ疾患」の治療法開発に向けて大きく前進した。
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