有機触媒は、毒性が低く、取扱いが容易であり、環境にやさしい特性を有する。 近年、有機触媒を用いたC-H活性化反応の開発も検討されている。 私たちは、ニトロキシドラジカルを用いてアクリドンとニトロメタンの酸化的カップリングに関する研究を行った。その中で、BPAN(tert-ブチル(10-フェニル-9-アントリル)ニトロキシド)は、最適な触媒であることが判明した。 水素引き抜き反応においては、酸素原子上のLUMOの値が特に重要であり、 さらに、触媒効率を高めるための再酸化の際には、還元剤上のNO-H部分のHOMO軌道の値も重要であった。 BPANは、これらの値に関して良好な値を示した。
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