アミド結合形成は形式上カルボン酸とアミンの脱水反応であるが,特にペプチド結合は,カルボン酸とアミン,そして,等量以上の縮合剤と添加剤を用いた反応により構築されるのが一般的であり,共生成物co-productが廃棄物となっている.この原子効率が低いという問題を解決するために,本研究では新たに,共生成物が二酸化炭素だけとなるチオールリレー法をデザインし,その実現性について検討した.まず,本法実現の重要構造となるチオカルボン酸を従来法よりも簡便に構築する手法を開発し,本文報告した.また,チオールリレー法によるペプチド結合の形成に成功した.併せて,より効率的な反応へと進展させる際の課題を明らかにした.
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