本実験では,溶液に集光レーザーを照射したときに,その焦点で光と物質との相互作用にもとづいて溶質分子が集合することを実証し,遠隔操作で溶液中の任意の位置に分子集合体を出現させることのできるボトムアップアプローチにもとづく新しい材料製造方法を提案した。 疎水性のペリレン色素骨格に水溶液中での分子集合を導くための親水性オリゴエーテル鎖を導入した分子を合成した。1056nmの波長をもつネオジム・ヤグレーザーを集光し,当該色素の水溶液に照射したところ,分子集合体と予想される構造体の形成が確認され,当該手法が遠隔操作すなわち溶液中の任意の時空間で分子集合体を製造できる手法となりうることがわかった。
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