本研究では、複数の高分子試料の測定結果から、分子構造(官能基の種類)とクラスターイオンの照射条件(Eatom 、クラスターの大きさ等)により解離パターンおよび結合解離の閾値が変化することを見いだした。また、短時間で大量のスペクトルデータを取得できるようにし、解析時の統計的な誤差を小さくできるようにした。その結果、スペクトルのEatom依存性に、分子構造以外の情報が含まれていることが示唆されている。今後は、同様な分子構造を持ちながら積層構造や配向性の異なる試料から得られる二次イオンスペクトルと、その統計解析結果を元にして、複雑なスペクトル解析法の基本的な考え方を確立していく。
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