研究課題
[具体的内容]本研究は,siRNAの部分構造に,RNA連結部をトリアゾールに置き換えたトリアゾール連結型RNA(TLRNA)を導入することで,高安定・高効率・簡便合成可能なsiRNA類縁体を開発することを目的とする.研究初年度では,内部にトリアゾール連結部を一つ含むキメラ型多量体分子が,siRNAとして機能することを見出していたが,研究次年度である本年度は,キメラ型多量体の簡便・量的供給可能な合成法を確立することで,トリアゾール連結部の導入位置の異なるsiRNA 13種をからなるライブラリを構築し,これを用いた構造活性相関研究により,RNA干渉におけるトリアゾール部の許容度を明らかにした.[意義・重要性]現在siRNAを活用したRNA干渉法の実用化に向けて,siRNA分子への非天然型構造の許容度を明らかにすることがますます注目を集めているが,非天然型RNAの合成は2'位ヒドロキシ基の存在が合成上の制約となるため,網羅的解析を実現することが困難であった.本研究では,高効率・簡便なRNA類縁体合成法を確立することで,非天然型連結部の導入位置の異なるライブラリ構築を実現し,これにより,これまで明らかとされてこなかった非天然型連結部の許容度について実験的に明らかにすることができた.特に,許容度が低いことが結晶構造解析により予測されていたsiRNA分子中のガイド鎖においても,許容される導入位置が存在すること見出し,非天然型連結部を持ちながらも高効率なsiRNA分子を開発することができた.
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Chem. Asian J.
巻: 10 ページ: 2683-2688
10.1002/asia.201500765
http://www.orgchem2.chem.tohoku.ac.jp/Main/Top.html