• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

安全・安心に資する表面増強ラマン分光を用いた脱法ハーブ成分の新規同定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26810097
研究機関高知大学

研究代表者

西脇 芳典  高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 講師 (50632585)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード表面増強ラマン / 脱法ハーブ
研究実績の概要

脱法ハーブの乱用は、大きな社会問題になっている。脱法ハーブの取り締まり・抑止には、有効成分(合成カンナビノイド類)の現場同定が不可欠である。本研究では、レーザーラマン装置に新たに開発する専用液体セルを導入し、最適化した銀ナノ粒子試薬を加えることで、表面増強ラマン(SERS)スペクトルの高感度化を図る。犯罪現場で行うことができる簡便な脱法ハーブの抽出法を開発し、将来的に現場で高感度に合成カンナビノイド類のSERSスペクトルを取得して成分同定ができるよう基礎データを蓄積する。簡便な抽出法-SERSスペクトルによる脱法ハーブの新規同定法を開発することが本研究の目的である。
本年度は本法に適した専用液体セルを作成した。石英セルをサンプルホルダーとした。サンプル背面に湾曲ミラーを設置し、サンプルホルダー中心からのラマン散乱と前方散乱を集光することで、従来より高感度なSERS分析が可能になった。次に作成したセルを使用した場合の銀ナノ粒子試薬濃度の最適化を行った。SERS用に合成した試薬の銀ナノ粒子径は約50nmのものが最適であった。最適な希釈率を検討したところ、5mMの濃度で合成し、5倍希釈して用いたものが最も高感度であることを明らかにした。収集した試料について、GC-MS分析を行い、成分の同定・定量を行った。ラマン測定条件を最適化した後、いくつかの試料について、SERS分析を行った。今後、解析が必要だが、増強効果が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は目的を達成するため、3つの検討を実施した。
1つ目は、高感度化を図るためのユニット作成である。作成したユニットにより、ラマン光を2倍程度高感度に分析することができた。2つ目は、銀ナノ粒子試薬の最適化である。合成法と希釈率を検討したところ、5mMの濃度で合成し、5倍希釈して用いると最も高感度であった。3つ目は、標準試料のGC-MS分析である。標準試料を収集し、分析条件を確定し、データベース化を進めている。
以上の理由から、当初の計画は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

更なる高感度化を図るため、ユニットの改良を行う。現場で簡便に実施できる抽出法・前処理法の検討を行う。GC-MS、LC-MSによって同定・定量された成分が、SERSスペクトルにどのように反映されるか解析を行い、新規分析法として確立する。

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi