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2014 年度 実施状況報告書

分子状酸素による高選択的官能基変換のための特異な酸化マンガン担持金クラスター触媒

研究課題

研究課題/領域番号 26810098
研究機関首都大学東京

研究代表者

竹歳 絢子  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (50533056)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード触媒 / 金クラスター / 酸化マンガン / 酸素酸化
研究実績の概要

金触媒による高選択的合成を実現するため、平成26年度はこれまでのナノ粒子を担持する手法をもとに2 nm、200原子以下のクラスターサイズの金粒子を単分散で担持する方法の開発に取り組んだ。すなわち、従来の金触媒調製法である析出沈殿法の乾燥段階にマイクロ波照射を用いて、迅速に触媒試料を乾燥させることで金前駆体の凝集を防ぎ、金をクラスターサイズに制御できるかを検討した。その結果、酸化マンガン上に金を担持する際、120 °Cで一晩乾燥させた後空気焼成する従来法では、担持金ナノ粒子が平均粒子直径6.9 nmであったのに対し、マイクロ波照射した場合では金粒子が平均粒子直径1.5 nmのクラスターで担持できることを見出した。得られた酸化マンガン担持金クラスター触媒の特性比較は、液相反応であるメチルフェニルスルフィドを基質とする酸素酸化の他、気相反応としてCO酸化を用いた。どちらの反応においても、今回得られたマイクロ波照射を利用した金クラスター触媒の方が、従来法により調製した金ナノ粒子触媒よりも活性が高いことがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スルフィドの酸素酸化により高選択的にスルホキシドを合成するための新しい金触媒の開発という当初の目的通り、マイクロ波照射という手法を取り入れることで高活性な金クラスター触媒が得られることを見出した。また、得られた金クラスター触媒は、目的のスルフィドの酸素酸化反応の他、空気浄化となるCO酸化反応にも適用できることがわかった。

今後の研究の推進方策

マイクロ波照射により触媒の乾燥が迅速にでき金クラスターとなっているが、マイクロ波照射の効果が乾燥のみなのか、金の還元にも影響があるのか明らかにするため、大型放射光施設を利用する予定である。また、酸化マンガン以外の金属酸化物についても検討することで、マイクロ波照射の担体効果について議論できるようにしたいと考えている。
また金のサイズ特異性を評価するため、まずサイズ分布の狭いサンプルを調製し、これらの触媒活性を比較することで、最適な金粒子径範囲を見出す。その範囲で原子数の規定されたクラスターを抽出し担持を試みるが、保護剤の除去により原子数の規定が困難になると予想される。減圧下酸素プラズマ照射を行うことで、低温で保護剤の除去ができ、金の凝集を抑制できないか検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Creation of Novel Catalytic Functions by Nanoparticulation of Gold2014

    • 著者名/発表者名
      Ayako Taketoshi, Masatake Haruta
    • 雑誌名

      Bunseki Kagaku

      巻: 63 ページ: 959-964

    • DOI

      DOI:10.2116/bunsekikagaku.63.959

    • 査読あり
  • [学会発表] Deposition of Gold Clusters on Manganese Oxides by the DP Method Combined with Microwave Drying: Sulfide and CO Oxidation2015

    • 著者名/発表者名
      Ayako Taketoshi, Masatake Haruta
    • 学会等名
      7th International Gold Conference (GOLD2015)
    • 発表場所
      Cardiff City Hall, Cardiff, UK
    • 年月日
      2015-07-26 – 2015-07-29

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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