本研究では,金属ナノ材料の特異な光現象(局在型表面プラズモン共鳴:LSPR)を利用するプラズモニック光エネルギー変換素子の実用に向けて,安価な銅のLSPRを利用した高効率光電変換素子,高性能光触媒の開発を目指した.プラズモニック周期性銅ナノ構造上と光吸収相層としてポルフィリン単分子膜から成る光電変換素子は,LSPRを発現しない光電変換素子と比して約59倍もの増強された光電流を生成した.一方,周期性銅ナノ構造の酸化によって構築されたCu2O/Cu光触媒は,可視/近赤外光の照射によって効果的な光触媒活性を示した.また,その分解速度はLSPRを発現しない素子と比して,約84倍も速かった.
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