高分子溶液の相分離により作製したセルロース多孔体をバイオマスポリマーの補強材として利用することで、オールバイオマス複合材料を開発した。チオシアン酸カルシウム飽和水溶液に対するセルロースの溶解度の温度依存性を利用して、三次元網目構造を有するセルロース多孔体を作製した。その後、セルロース多孔体の空孔にポリヒドロキシアルカン酸を含侵させ複合材料を得た。ポリヒドロキシアルカン酸単独物と比較して、複合材料では初期弾性率や最大応力だけではなく破断ひずみも大きくなり、強靭、かつ高強度の材料となった。また、ポリヒドロキシアルカン酸にセルロース多孔体を導入することで、熱膨張も抑制されることがわかった。
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