研究課題/領域番号 |
26810117
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
有馬 ボシールアハンマド 山形大学, 理工学研究科, 助教 (30596549)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 水素製造 / 二酸化チタン / グラファイトシリカ / ナノコンポジット |
研究実績の概要 |
本研究はTiO2を用いた水の光分解のため助触媒として天然グラファイトシリカ(Graphite Silica, GS)の異例な効果メカニズムを解明すると共に人工的にポーラスナノGSの作製を狙うものである。以前の研究ではTiO2以外の光触媒、例えばZnOあるいはCdSとGSを使って実験を行ったところ水素製造が出来なかった。今回の研究ではGSの異なる効果メカニズムを解明するために、上記の(TiO2, ZnO, CdS)以外の光触媒とGSを用いて水素製造が可能かどうか確認することにした。そのために、水熱法でZnS(紫外光応答型)とZnInS(可視光応答型)二種類の光触媒を合成した。上記に述べたように、TiO2と同じバンドギャップを持つZnO(TiO2もZnO紫外光応答型)もTiO2より小さいギャップを持つCdS(可視光応答型)もGSと混ぜて使った時水素製造増加しなかったが、今回の研究ではZnS(紫外光応答型)とGSを使って水素製造に成功した。もっとも、驚いたことは、ZnIn2S4(TiO2と違って可視光応答型光触媒)とGSを使って実験したところ水素製造を確認できたことである。可視光可視光応答型光触媒と天然鉱石であるGSを使って水素製造の成功は世界初めてのことである。また、人工的GS系のナノコンポジットとしてBi0.9Gd0.1Fe1-xTixO3, Bi0.7Ba0.3Fe1-xTixO3(x=0.0-0.25)等の合成に成功した。超音波を利用し世界初めて超微粒子(直径平均11nm)の合成に成功した。現在はこれらの水素製造評価を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回の研究内容はメカニズム解明と合成、この二つに分けられる。メカニズムを解明するために、FTIRを用いてリアルタイム測定を柱とした解析を行うことにした。共同研究者のFTIR装置を借りて実験を行っているので、使用時間が限られているためメカニズム解明の実験は若干遅れていると感じている。しかし、人工的GSの合成の研究も予定通り進んでおり、現在はこれらの水素製造評価を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者に協力してもらってFTIRの使用時間を増やす。リアルタイムFTIRを用いて水素イオン及びGS表面の反応実験を急ぐ。反応メカニズムの解明のため必要に応じてNMR測定も利用する。また、発光スペクトルを用いてTiO2, ZnO, CdS, ZnS, ZnIn2S4とGSの間の励起電子の移動について調べる。年末までにメカニズムに関しての実験を終え論文投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
協力研究者から一部試料は無償で頂いたため。 また、NMR用のサンプルホルダーは必要に応じて購入する予定ので、まだ購入してないので。
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次年度使用額の使用計画 |
①測定実験の速度及び効率を向上するためにFTIR試料作製用プレス及びダイスを購入する。 ②NMR用のサンプルホルダーを購入するため使用する。 ③論文投稿及び消耗品などに使用する。
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