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2016 年度 実績報告書

拡張π電子系アクセプター骨格を有する新規高性能半導体ポリマーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26810129
研究機関岡山大学

研究代表者

森 裕樹  岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 助教 (20723414)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード半導体ポリマー / 有機薄膜太陽電池 / 有機電界効果トランジスタ / 有機半導体 / 共役系高分子
研究実績の概要

半導体ポリマーを用いた有機電子デバイスは、次世代のエレクトロニクスとして注目されている。本研究では、高性能な半導体ポリマーを開発するために、新たな電子不足芳香環であるピレノビスチアジアゾール(PyTz)を合成し、それらを主鎖に導入した新規半導体ポリマーの開発を目的に研究をおこなってきた。
比較的安価な出発原料を用い、反応条件を精査した結果、PyTz 骨格の構築に成功した。物理化学特性を調査した結果、PyTz誘導体は代表的な強いアクセプターであるベンゾチアジアゾール(BTz)よりも大きなエネルギーギャップと深いHOMOを有する新たな種の弱いアクセプターであることが明らかとなった。さらに平成28年度では、より効率的な合成手法の開拓をおこなったところ、これまでと同様の出発原料から、計6ステップ、全収率20%でPyTzモノマーの大量合成に成功した。得られたモノマーを用い、クロスカップリングによる共重合により、PyTzとチオフェン誘導体と組み合わせた種々の新規PyTzポリマーの合成に世界で初めて成功した。また、得られたポリマーは、強い分子間相互作用を持つポリマーであることが明らかとなった。
紫外-可視吸収スペクトルより、合成したPyTzポリマーは 630 nmまでの可視光領域に吸収を持ち、2 eV 程度の大きなエネルギーギャップを有するポリマーであることが明らかとなった。これは、BTz系ポリマーよりも 0.3 eV 程度大きな値であり、PyTzが弱いアクセプターであることに起因する。このような特徴は、近赤外領域に強い吸収を有するn型半導体を用いたフラーレンフリー太陽電池のp型半導体として極めて適したものであるほか、強い凝集力は高性能トランジスタを実現する高い可能性を秘めている。これらの結果から、PyTzポリマーは高性能有機電子デバイスを達成するための優れた候補であることが期待できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 機能有機化学研究室ホームページ

    • URL

      http://chem.okayama-u.ac.jp/~funcchem/top/

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公開日: 2018-01-16  

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