酸化銅プレカーサー溶液を用いて,ケイ素/二酸化ケイ素基板上に薄膜形成し,その薄膜のトランジスタ特性を調べた。調製した溶液を基板に滴下し,スピンコート法で塗布,乾燥後にAr気流中で熱処理して,酸化銅薄膜を形成した。昇温速度,熱処理時間などの熱処理条件を種々検討し,約30 nmの膜厚の酸化銅薄膜を形成した。トランジスタ特性を半導体パラメータアナライザで調べた。形成した膜は,ゲートバイアスが-10 Vのときに高いオン/オフ電流比(ON/OFF比)がとれ,トランジスタとして動作した。このように,化学的湿式法でp型TFTの形成を達成した。実用化に向けては,さらに高いオン/オフ電流比が必要である。
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