原子シミュレーションにより代表的な塑性変形素過程のひとつであるすべり転位生成の定量的評価を実施する手法を確立した。その手法を主にマグネシウムに対して適用し、転位生成の応力・温度依存性について検討を実施した。特に、転位生成を熱活性化過程として捉えた際に"エンタルピー-エントロピー補償"と呼ばれる関係が底面・柱面すべりにおいて成立すること、また[11-20]方向への圧縮応力が底面転位生成に必要な分解せん断応力を低下させうることを示した。また、ナノピラーや双結晶の一軸変形の分子動力学シミュレーションにより面欠陥を核とする塑性変形に対する検討も実施した。
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