本研究ではアルミニウム合金の高温粒界脆化現象を解明するために,異なるNa不純物量の実用アルミニウム合金に対する実験と,第一原理計算の両面から研究を行った.5083合金は数ppmオーダーのNaを含んでいても高温で極端に脆化しないこと,Na量237 ppmの試料では室温で顕著な脆化を生じることなどを明らかにした.さらに,第一原理計算により,Naが粒界結合力を弱めること,添加元素によりそれが大きく改善されうることを見出した.本研究で得られた知見は,アルミニウム合金の粒界脆化機構の解明に大きく寄与すると考えられる.
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