研究課題/領域番号 |
26820017
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
張 聖徳 一般財団法人電力中央研究所, 材料科学研究所, 特定主任研究員 (00454520)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | クリープ / ミニチュア試験片 / 損傷評価 / 溶接継手 |
研究実績の概要 |
10万時間程度使用された改良9Cr-1Mo鋼(火STPA28)のボイラ主蒸気管の溶接継手から、平行部の直径が1mm、2mmおよび3mmのミニチュア試験片を採取し、650℃でのクリープ試験を実施し、標点部直径6mmの標準試験片の結果と比較した。その結果、試験片が小さいほど、クリープ変形は速くなり、クリープ破断時間も短くなることが判明した。また、直径1mmおよび2mmの試験片の絞りは90%以上の高い延性を示すが、直径3mmおよび標準試験片の絞りは80%以下であることがわかった。以上のことから、溶接継ぎ手については、本研究で提案したミニチュア試験片で従来の標準試験片と同様な精度の損傷評価をする場合は、クリープ変形および破断特性に及ぼす寸法効果を考慮することを示している。 母材を対象に、未使用材および長期使用材のクリープ破断時間を比較することによって、実機運転中に受けた長期使用材のクリープ損傷を評価した。 溶接継ぎ手のクリープ損傷を実施するため、クリープ損傷評価用試験片を加工し、クリープ中断試験を行い、損傷材を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおよそ予定通り研究が推進された。
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今後の研究の推進方策 |
溶接継手のクリープ変形および破断特性に及ぼす試験片サイズの影響を定量化するとともに、その原因を解明する。 試験片の寸法効果を考慮し、長期使用材の溶接継手のクリープ損傷を評価する。 溶接継手のクリープ損傷材について、ミニチュア試験片による損傷評価を実施し、寸法効果を考慮することによって、標準試験片と同等な精度があるかを確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試験装置は安定に運転しており、当初予定した試験消耗品である熱電対およびボルトの交換がないため、次年度に使用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
ミニチュアクリープ試験の実験作業に必要な人件費に使用する。 また、クリープ試験に必要な熱電対およびボルトなどを購入する。 さらに、国内および国外の会議に研究成果発表に使用する。
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