10万時間程度使用された改良9Cr-1Mo鋼(火STPA28)のボイラ主蒸気管の溶接継手から、標点部直径1mm、2mmおよび3mmのミニチュア試験片および直径6mmの標準試験片を採取しクリープ強度を比較した。その結果、試験片の直径が小さい程、クリープ変形は速くなり、破断時間が短くなった。定量的には、直径1mmのクリープ破断時間は標準試験片の1/4程度まで低下することがわかった。 上記の溶接継手のクリープ変形および破断特性に及ぼす試験片サイズの影響を解明するため、有限要素法による弾性クリープ解析を実施し、溶接熱影響部の応力およびひずみ分布を求めた。その結果、試験片が小さい程、溶接熱影響部に対する変形拘束が小さく、相当応力は大きいため、破断時間が短くなることを解明した。 さらに、溶接継手のクリープ損傷材から、ミニチュア試験片を採取し、同試験片のクリープ破断時間から損傷率を評価した。
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