本研究では,シランカップリング剤により疎水化された石英基板表面にレーザを照射することにより,濡れ性を選択的,局所的に改質することに成功した.水接触角は約40から100°に分布し,その際の基板の形状やあらさ変化,光学特性変化は見られなかった.この改質はレーザの熱影響による表面官能基の脱離,分解であることを明らかにした.また,基板表面に残留した官能基の量と水接触角には相関が見られた. 濡れ性の局所改質を利用し,表面流路を形成した.これは疎水性の表面の一部を親水化し,その部分を疑似的に流路とする技術である.さらに,段階的に濡れ性を変えることで,この表面流路に液滴の自己輸送能力を付与することに成功した.
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