本研究では,強い異方性を示す薄板材を用いた成形シミュレーションの精度向上および破壊予測精度向上を目的とした材料モデル構築を行い,複層鋼板およびアルミニウム合金板を用いた検証を行った.本モデルは異方性表現能力の向上を達成するために,降伏応力異方性と変形異方性を独立評価できる非関連流れ則に基づいた定式化が行われた.SUS304とSUS420J2からなる複層鋼板とアルミニウム合金板A6016-T6を用意し,破壊予測シミュレーションと材料パラメータを決定するための実験を行った.これらの解析と実験の結果,従来モデルでは不可能な力学特性の分析が可能となり,提案モデルの有用性が明らかとなった.
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