研究課題
当年度は、昨年度開発が遅れていた、新たな交流高電場印加液滴挙動観察装置を製作した。これは従来用いていた簡易的なシステムを大幅に改良し、様々な動作、撹拌環境に対応した装置である。従来モデルでは、上下固定された平行平板のみの環境でしか電界撹拌できず、液滴は上下運動のみであった。そこで新たに開発した装置では、更なる撹拌の効率化のために、自動制御により液滴に左右運動や円弧運動を与えることが出来るものであり、尚且つ温度コントロールユニットが搭載され、撹拌温度環境も制御できる装置である。本装置を用いて通常の固定平行平板における電界撹拌よりさらに効率的な撹拌が可能か検討した。従来の固定並行平板において、スライドガラスを置く下部電極側を3パターン、プログラムにより自動制御させた。3パターンとは、まずX軸方向に往復させたパターン、傾斜往復させたパターン、そしてX軸と傾斜往復を複合されたパターンである。磁性ナノビーズを用いて、30秒撹拌し、粒子の撹拌状態を調査した結果、従来の固定平行平板に比べ、3パターンにおいていずれもよりナノビーズが拡散しているのがわかった。下部電極側を動かすことによって従来方法より、高効率な撹拌が行われたと考えられる。さらに、交流高電場印加が、内容物に及ぼす影響を調査した。電界撹拌させたTEバッファーのpH、電気伝導率、ORP電位を詳細に測定し、電界撹拌前後でわずかながら差異があることを発見した。
2: おおむね順調に進展している
昨年度開発が遅れていた、新たな交流高電場印加液滴挙動観察装置も開発し、さらに当年度の目標である交流高電場印加が、内容物に及ぼす影響の調査も粛々と行っているため。
今年度は、新たな交流高電場印加液滴挙動観察装置も開発し、さらに当年度の目標である交流高電場印加が、内容物に及ぼす影響の調査を行った。平成28年度は抗原抗体反応の更なる迅速化のための電場集中電極形状と最滴条件の開発と電場の影響を積極的利用した新たな反応プロセスの開発を行う。
最終年度として抗原抗体反応の更なる迅速化のための電場集中電極形状と最滴条件の開発、さらに電場の影響を積極的利用した新たな反応プロセスの開発を行うため。
抗原抗体反応が更なる迅速化するような電極形状を考案、製作する。また、本技術の更なる展開の模索と広く周知させるため、旅費を使用する。
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Scientific Reports
巻: 5 ページ: -
10.1038/srep15371