本研究は高い熱安定性と不揮発性を示すイオン液体における潤滑特性およびその能動制御について検討した。SiO2界面における潤滑特性を検証したところ、ハロゲンフリーのメチルホスホネート塩においてトリフルオロスルホニルイミド塩と同等の潤滑特性が得られた。 また、イオン液体保持相としてイオン液体ポリマーpolyDEMM-TFSIおよびPMMAを骨格とするイオン液体型ダブルネットワークゲル(DNイオンゲル)を開発した。得られたDNイオンゲルは高い圧縮強度(30MPa)と熱安定性(5%重量減少温度:320℃)を示した。また温度増大に伴う摩擦係数の低減が確認され、潤滑特性の能動制御について指針が得られた。
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