本研究では,固体NMRによるDLC膜のsp3定量評価の可能性について検討した.12Cメタン,13Cメタンを用いて同条件で成膜したDLCは,材料的特性,機械的特性ともに概ね同じ膜が形成できることが判明した.また,固体NMRによるsp3評価は,XPS,TEM-EELS評価結果と比較し得ること,および膜の粉末化による膜構造変化の影響は小さいことから,固体NMRはsp3定量評価として十分可能であると考えられる.一方,粉末化による膜の内部応力緩和の影響について,さらに検討する必要がある.また,膜の粉末化処理の簡便化については解決策を見出せなかった.
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