ポンプの中を流れる水中において、しばしば、衝撃波という「危険な」波が形成される。これを、ソリトンという「安全な」波に変換できれば、ポンプの損傷を抑制することが可能となる。本研究の目的は、この革新的技術開発のための理論的基盤の創成にある。気泡流中において、水中音速1,500 m/sを超えて伝播するという、水の圧縮性の効果が招く高速伝播圧力波を用いて、ソリトン遷移した衝撃波をポンプ内から速やかに逃がすという着想に基づき、高速伝播圧力波の非線形伝播の理論解析および数値解析を行った。今後、本理論の実験的検証研究や、次世代のポンプへの実装を目指した産学連携研究といった、さらなる進展が期待されるだろう。
|