凸面上を流下する水流の自由表面において、そのスパン方向に周期性を有する定在波が生じる。ハイスピードカメラとレーザーシートを用いて水流断面を観察した結果、この定在波は局所的な水流厚みの増減をともなっており、その振幅は水流速度と凸面部の曲率半径で整理できることがわかった。同様の流れ場となる滝用水車の導水部においてはランナに対する水流作用位置が好適域からずれ、水車性能が低下する。この傾向は流量が大きな条件ほど顕著であった。定在波の抑制方法として、導水部の曲面部に正接する平板角度を従来の鉛直方向(90度)から80度とすることで定在波の抑制と水車性能の向上が確認された。
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