相分離を伴う乱流熱対流を能動的に制御することにより、混合流体中に生じる自己組織化構造を乱流中の渦構造の観点から制御する方法を開発した。対象としたのは良く混じり合った二成分溶液であり、急冷などの熱力学的不安定性によってスピノーダル分解が起こる材料作成プロセスである。相分離の作用を取り込んだ乱流の直接数値計算を実施することにより、乱流の渦構造生成によってスピノーダル分解による自己組織化構造の粗大化が抑制されることがわかった。この抑制効果は乱流中のスケールの大きい渦層上で顕著であり、このスケールに対して流体エネルギーを注入することによって機能性材料の特性を能動的に制御できる可能性を見い出した。
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